中国兄直伝。家族円満になるエビと玉子と春菊の水餃子
「来週餃子やるぞ」
と、中国兄のトラから連絡がくると当日が待ち遠しく、食事控えるかなぁ~なんて考えたりする。(控えたことはない)
「餃子」とは親戚友人を招き、おかずをつまみながら水餃子をどっさりつくって食べまくってお酒をエンドレスに飲むステキな宴会のことである。
私は生まれは日本だが、母の趣味で小さい頃から田舎にいくような感覚で中国とモンゴルにいっていた。
第二の故郷ともいえる中国。古代からの美食健康食があふれる極彩色の食卓の国。
世界4大料理のひとつ中華料理はもっとも料理の種類が多く、生きているうちに制覇できないともいわれている。
そんな中華料理は今では身近な近所の食堂にすっかりなじんでいる。中国に文句いってる日本人でも中華料理は好きだと思う。中華料理は偉大だ。
はじめて水餃子を食べたのは北京の街中にある小さい餃子屋さんだった。
目的地である沙漠に出発する前のぶらつきだった。店先をのぞくとおばちゃんに手招きされる。
店に入ると餃子の皮と中に入れる餡が用意されていて、気がつくと餃子を包むのを手伝わされていた。
あれ?客なのに??
このときわれわれ日本人誰ひとりとしては餃子なんぞ包んだことはなく、もたもたと生地をもてあましていた。おろおろしている間に店のおばちゃんは見事な手さばきで寸分の狂いもなく同じ形の餃子をどんどんつくっていく。
おおーと感激しているとどんどん餃子が茹で上がり、スーパーのビニール袋にどんどん入れられていく。
えー!ビニールに直接かよ!そしてビニールめっちゃ薄い!日本のやつの半分くらいの薄さ!
お願い二重にしてくれる?とカルチャーショックを受けながら状況を把握する。
量がすごい。そして死ぬほど安い。
200個くらいもたされて途方にくれているとガイドさんが水餃子じゃひとり30個くらい食べるのがふつうだよ、という。まじかよむりだーと思っていたが、不思議なことにゆでてさっぱりしているからか、すいすいと食べられてしまう。
もっちりした厚めの生地は舌ざわりがよく、かみしめると餡とおいしい汁がじゅわっと出てきて口の中をやけどしそうになる。
汽車に乗っていた仲間たちにもふるまい、どっさりあった餃子は列車の中できれいになくなった。
その後、日本で中国兄と知り合い、家で集まるときはいつも手作りの水餃子を大人数でつくって食べることが定番となった。
中国では水餃子はめでたいときに食べる縁起物である。
昔のお金の形に似ていることもあって、食べると金運がよくなるという言いつたえもある。
金運アップに直結した効果は今のところ大きな実績は出ていないが、大勢でわいわいいっしょにつくって食べるというスタイルは、達成感と鍋料理に通じる一体感がある気がする。
笑いながら楽しい空間で食べるものは、きっと運勢がよくなる力があると思う。
仲良くなりたい人がいるとき、また大勢の友人と会いたいとき、親戚や親と久しぶりに会うときなどぜひ手づくりの水餃子をおすすめしたい。
水餃子は一気にゆでることができて、コンロにはりついていなくていい。
焼き餃子のように焼き加減が難しくないのもうれしい。
では中国兄直伝の水餃子のレシピです。
1材料
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エビと玉子と春菊の餃子
- エビ(冷凍でよい)10~15尾。ブラックタイガーのような大きめがおいしいが、なければ芝エビのような小さいものでもOK
- 春菊 2束
- 卵 5個
餃子といえば、通常はお肉と野菜。しかしこのエビと玉子と春菊の組み合わせは一度食べたら定番にしたくなるくらいすごくおいしいです!中国兄の発明したレシピでもう20年以上食べている。それでも毎回食べるたびにうっとりと溜息がでるほどです。
- 市販の餃子の皮 150枚
- 強力粉
定番豚ニラの餃子
- 豚ひき肉 400g
- にんにく 半株
- しょうが ひとかけ
- ニラ 1束
- キャベツ(ゆでた白菜でもOK)200g
- しいたけ 5枚
しいたけを入れることで肉の獣臭が和らぎ、うまみもまします。にんにくにらが好きな人は多めにいれましょう。
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2作り方
1)たまご5個をボウルに割ってときほぐし、塩で味をつけておく。なめてちょっとしょっぱいくらい。
煙が出るほど熱したフライパンに油を多めにしき、炒り卵を作る。
2)春菊をさっとゆでて水にさらす。ぎゅっと水分をしぼって葉と茎もみじん切りにしておく
3)冷凍エビを流水で解凍し、背ワタとしっぽをとる。身をざくざくと切り、さらに細かくなるように包丁でとんとんとたたく。
4)1,2,3をすべて合わせてボウルでよく混ぜる。
エビと春菊の餃子の餡がこれで完成。
5)次に定番の豚にら餃子の餡をつくる。キャベツをみじん切りにし、塩少々でもんでおく。
6)にんにくとしょうがをすりおろし、ニラとしいたけも(石付きをとって軸もいっしょに)みじん切りにする。
7)キャベツから水分が出ているのでぎゅっとしぼり、ひき肉、(6、塩小さじ1、しょうゆ少々をいれて手でよくこねる。これで定番豚ニラの餡が完成。
ここまで友人がくるまで用意しておきます。
おのおの好きなお酒を用意して乾杯したら、みんなで餃子をつつみましょう。
8)市販の餃子の皮(もちろん皮を手作りでもOK)に具を入れてつつむ。具をすくうのはスプーンよりおはしをつかうとやりやすいです。
あまり欲張って餡をいれると、皮がやぶけるので、気持ち少な目に。
包んだら重ならないようにバットや平ざるにならべていく。
水餃子は焼き餃子のように並べてたたせる必要がないので、餡を皮にのせ、皮のはしに水をつけてぎゅっとおさえていくだけでもOK。
中国兄の手作りの皮の場合はひだをつくってつつみますが、市販の皮の場合はいつもこの簡単な方法でやっちゃいます。
↓手作り皮の場合
タバスコやわさびをいれてロシアンルーレット餃子をつくりハラハラするのもまた楽しいです。子供やお年寄りがいる場合はほどほどに。
9)大鍋にお湯をいっぱいにわかし、できた餃子をいれていく。
重ならないようにすこしかき混ぜる。
10)5分程度で餃子がふわりと浮かんでくる。
網じゃくしでどんどんすくい、大きな皿によそう。
3いただきます
しょうゆ、味ぽん、黒酢、ラー油、豆板醤、ゆずこしょうなどを用意。
水餃子はさっぱりしていて口当たりがとてもやさしいので、どんどん食べられてしまう。
エビと春菊と卵の餃子はエビとたまごの上品な味わい、春菊の香りがさわやか。
豚ニラ餃子はニラとにんにくが食欲をくすぐり、肉としいたけがじゅわっとおいしい。
あああ~いくらでも食べられる!!
私はまず黒酢だけつけて食べるのが好き。豆板醤と花山椒をちょこっとつけて食べるのもよい。
きざんだ生にんにくにしょうゆをかけた即席にんにくしょうゆもよい。
ミツカンの味ぽんも合うのでこれもはずせない。豚ニラ餃子にはとくにあう。
タバスコ餃子に当たった人の悶絶をみて大笑いするのも楽しい。ちゃんとお水かお湯を用意してあげましょう。
餃子のほかのつまみはは小松菜と生きくらげの中華和え、ピクルスなんかのさっぱり系がおすすめ。
水餃子はビールにも酎ハイにもよくあう。本格的に紹興酒でもいいし、ワインでもOK。
ゆでてよそった端からすぐなくなるので、食べながら包んだ餃子をゆでる。グラスを片手に網じゃくしを片手にああ忙しい。
だいたい全部たべちゃうのであまりないですが、餃子がもしあまったらゆでる前の状態で冷凍もできます。
中華スープをわかしてその中に冷凍した餃子を放り込んで、刻んだ長ネギ、黒こしょうをふれば小腹がすいたときにうれしい軽食になります。
4おなかいっぱいになったら
さて、みんながおなかいっぱいになって満足したら、まずはお皿を片付けてテーブルをきれいにします。
あたたかいお茶とフルーツ、指でつまめる小さいお菓子を用意。餃子のあとなのでお茶はジャスミン茶、ウーロン茶、プーアル茶など中国系が気分ですが、お好きなものを。
↓すごくほしいお茶セット
お茶の準備ができたら手作りすごろくかトランプをして遊ぶ。人生ゲームや花札もいい。テレビゲームはできないターンの人が出るのでダメ。ゲームに負けた人にお皿洗いをやってもらいましょう。
ゲームのあとはおすすめの映画やアニメを見て、みんなで議論したりうとうとしてもいい。
Netflixで配信しているアメリカのLGBT番組なんかもおもしろい。
ゆったりぐうたらとした時間を満喫し、あまり遅くならないうちに解散。健全。
予算も安く、みんなでわいわい楽しく、親睦が深まりおなかいっぱいになれるすてきな水餃子。
ぜひ家族とも友人とも、水餃子から生まれる幸せな時間を満喫してください。