これまでのあらすじ
混沌と絢爛の街、東京のどこかにひとりの魔女が住んでいる。
魔女といっても昼はOL、週末はバーテンダー。
ほれ薬をつくって悩める乙女に売りつけたり、毎週サバトで悪魔と踊ったり、奥様は魔女に出演したりして魔女らしい生活がしたくとも、現代はそうもいかない。
魔道に励む前に人間的労働をしないと資本主義TOKYOでは全然暮らしていけないのであった。
夜はおいしいものをこしらえながら古今東西の酒をすすり、アニメと映画を見るのが1日の楽しみであった。
ある日魔女の神ディアナがお告げとともに魔女の部屋へ舞い降りた。
「魔女はいにしえから食でも人々を癒し導いてきた。食材は力をもっている。
おまえは占いも呪いもダメ野郎だけど、料理だけはできるから人々にごはんを処方しなさい。何を食べるかはどう生きるかということだ」
「おおディアナ様、具体的にどうしたらいいんですか」
「怒られたときや、失恋したときや、社会へ戦いに行く前に何を食べればよいのか。願いを叶えるごはんを考えてみなさい。そうして徳を積んでいけばお前の魔力も上がるだろう。さすれば奥様は魔女がリメイクされるとき出演依頼がくるかもしれん」
「まじか」
こうして魔女は体や心に効く'魔女めし'を人々に処方することにした