魔女めし。さあ召し上がれ!

現代にも魔女は生息している。 東京のどこかに住む魔女が、悩みや願いや呪いに効くごはんレシピを処方。

フランス風丸鶏の土鍋煮プラードでおうちクリスマスディナー

丸鶏の土鍋煮プラード

渋谷センター街にも新宿伊勢丹にも近所のスーパーでもクリスマスソングが流れている。

どこをあるいてもジングルベル。ウィーウィッシュアメリクリマス。アイドンワナロットオブクリスマス。
今年のクリスマスは、ナナクサインコ、アンティークのダイヤモンドかルビーのアクセサリー、モロッコのカラフルなお皿、ラクダ色のロングコート、カシミヤのセーター赤黒グレーがほしいです。

 イエス様の誕生日にかこつけてごちそうを食べ、家族友人とどんちゃん騒ぎができる楽しい季節である。クリスマスの時期は残り少ない今年の日数を数え、なんだかんだあったても無病息災なことをありがたいと感じる。

1億総クリスマスの日本では、クリスマスの雰囲気にあてられてしまうので普段食べないローストチキンやグラタンなどの手間のかかる洋食が食べたくなる。これらは本格的な天火を使う料理なので、オーブンがないうちでは作れない。外で食べると高いし。

 我が家ではこの時期丸鶏を土鍋で煮て食べる。

これはフランスの家庭料理でプラードという。シャンソン歌手であり数々のすてきな食の随筆を残した石井好子さんの著書で紹介されていた。
彼女がパリで暮らしていたとき、おもてなしのメニューとしてよくつくったそうだ。ちなみにプラードの前菜はシャンピニオン(マッシュルーム)のクリーム煮だそう。
石井さんの文章はその国の雰囲気が伝わってきて、特に食べ物がおいしそうでたまらないんである。
食べたい!つくってみたい!と思ってこの彼女の文章から作った料理がいくつもある。フランスのごはんサラダ、ラタトゥイユタルタルステーキなども彼女の本で知った。
料理のエッセイ本やレシピ本を読む楽しさは、この人から始まった気がする。おかげで私の本棚は料理本であふれている。

 プラードは丸鶏のおなかに野菜とごはんを詰めて、おなかを閉じてから土鍋に寝かせる。たっぷり水をいれて2~3時間煮る。
時間はかかるけど、材料も道具も特別なものはいらない。丸鶏も今はスーパーで普通に売ってるところも増えた。

土鍋ごと食卓に運んで、フタを開けると歓声が上がること間違いなし。
では家クリスマスを盛り上げるフランス風丸鶏の土鍋煮のレシピです。

フランス風丸鶏の土鍋煮プラード

クリスマスの時期になると、骨付きの鶏の足が精肉売り場に登場する。

スーパーで売られている丸鶏

最近は丸鶏もその並びで売られている店が多い。冷凍ものの場合は、調理にかかる前に室温で戻しておく。
うちの近所のスーパーでも売ってました。国産若鶏の解凍品で640円。安い。

購入した丸鶏



少し小さめの若鶏なので、2人~3人分というところ。ディナーの人数に合わせて大きさは調整してください。

プラードの材料

丸鶏 1羽
セロリ 1本
にんじん 1本
長ネギ 1本
しいたけ 3~4個
ベーコン 1パック
にんにく 2~3かけ
パセリ 1束
クスクスか残りごはん 茶碗1杯
ハーブソルト 少々
ガラムマサラ 少々
ローズマリー 少々
タイム 少々
固形スープの素 2個

材料たち

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つけあわせは生マッシュルームのサラダ。

生できのこを食べられるのはマッシュルームだけなんだって。

食感が楽しい、おしゃれなサラダもつくります。

サラダの材料

生マッシュルーム 1パック
ピーマン 3個
粉チーズ 適量
アンチョビ 適量
オリーブオイル 適量

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作り方 

1)セロリ、にんじん、長ネギ、しいたけ、ベーコン、にんにくを細かく刻む。ベーコンの代わりに鶏レバーでも可。両方いれてもOK。今回は買い忘れたので省略。

2)フライパンに油を熱し、1)の野菜をさっと炒める。

刻んだ野菜

野菜を炒める

3)のフライパンにクスクスと水少々(または残りごはん)を入れてさらに炒める。

クスクスを入れてさらに炒める

4)ハーブソルト、ガラムマサラ、白ワインを入れてさらに炒める。全体がよく混ざったら、火からおろしておく。

秋田のハーブ園で買っためちゃうまいハーブソルト

インドフェスで大量に購入したガラムマサラ。スープとかにもちょろっといれるとおいしい。

5)丸鶏を洗い、キッチンぺーパーで水分をふき取る。毛が残っている場合は抜く。

丸鶏を水で洗う。

6)4)の炒めた野菜とクスクスを鶏のおなかにつめていく。スプーンをつかって押し込む。

割と入るのでスプーンでぐいぐいと押し込む。

8)しっかりおなにつめたら、おしりを閉じる。針と糸で閉じてもいいが、楊枝を使ってうまくふさいでもOK。私は楊枝派。鶏用の針用意するのめんどくさいので・・

ふつうの楊枝

おなかが閉じられればOKなので閉じ方は自由に


9)鶏を土鍋に寝かせ、鶏がかぶるくらいの水を注ぐ。パセリの茎、ローリエローズマリー、タイム、固形スープの素2個いれ、オリーブオイルをひとまわし、火にかける。

土鍋に寝かせて鶏がかぶるくらいの水を注ぐ。

10)ゆっくり2時間煮込んでいく。(大きい鶏であれば3時間)

スープがだんだん琥珀色になってくる。

11)一度上下をひっくりかえす。鶏の身がすこし崩れてきたら出来上がり。

鍋底に当たっていた部分においしそうな焦げがついている。身もほろりとなってそろそろ食べごろ。


食べるときはまずスープだけを大きい椀によそう。細かく刻んだパセリと、あらびき胡椒をふって出す。(写真忘れました)

楊枝をはずして肉を切り分け、中のごはんと鶏の身をよそい、フレンチドレッシングをつけながら召し上がれ。

食卓に出すと歓声があがる。フォトジェニックな出来上がり。

うちのフレンチドレッシングは、オリーブオイル、穀物酢、黒コショウ、ハーブソルト、ガーリックパウダーを混ぜて即席。それでも十分おいしい。

滋養を感じるやさしい味のスープ、やわらかい鶏の身とおじやのように煮えた野菜とクスクス。

ナイフで切って取り分ける。

さっぱりしているのに鶏のコクたっぷり、しみじみと身体に染み渡るような優しい味。
うーんと寒い日につくると幸せを感じられます。

プラードのお供は、生マッシュルームのサラダと野菜のオリーブオイル蒸し。
生マッシュルームは薄く薄く刻んで、ピーマンと粉チーズ、アンチョビ、オリーブオイルで和えたもの。

生マッシュルームとピーマンのサラダ。

簡単でおしゃれな副菜。どんな洋食にもぴったり合います。

丸鶏料理はちょっと非日常だけど、土鍋を使えば簡単だし失敗しらず。
火にかけてほっておくだけでおいしい1品が出来上がり。
こういう料理が私は大好きです。

冬の間に何回か作りたくなる、土鍋チキン、プラード。
ぜひおためしあれ~。